柏の葉のがんセンター近くにあるこんぶくろ池にカメラ片手に散歩に行っているんですが、
ここ最近、むやみに開発されて悲しい思いをしてます。
まず、2007年の8月に撮影した弁天池の写真。
ぶれまくりなんであまり人に見せない写真なんだけれども、当時の状況として。
弁天池というのはこんぶくろ池の奥にある湧水の源流に当たるところです。
こんな感じで、当時の弁天池のまわりというのは行き止まりになっていて、
この写真で見て、祠のむこうがわぐらいまで道があるだけだったんですよ。
それが、先日行ってみたところ写真のような状態に。
だれが遊歩道を望んだ?
前の写真と同じように撮ってないんで、変わり方がわかりにくいと思うんですけど、
もともと獣道すらなかった藪だったんですよ、この写真の場所って。
それを伐採して道つくってってどんだけ頭悪い人間がこれやってんだと、落胆してしまった訳なんです。
なんというか、川縁を護岸するような貧しい感性を持った人たちがこの雑木林にも目を付け始めたんだなと。
一方では柏市は下記のような決断もしています。
柏市:2960ヘクタールを保全配慮地区に指定へ 市面積の4分の1 /千葉 - 毎日jp(毎日新聞)
柏市は、市内5カ所の緑地や斜面林計2960ヘクタールを、都市緑地法に基づく「保全配慮地区」に指定する方針を決めた。指定面積は市の面積の4分の1に達し、県内では最大級。その大部分は開発が抑制されている市街化調整区域だが、市が環境保全の意思を明示し、開発する側に緑地確保などの配慮を促す狙いがある。28日の市緑政審議会の答申を経て、正式決定される。
市公園緑政課によると、指定地域は▽利根運河周辺地区(大青田・船戸)260ヘクタール▽利根川周辺地区(布施・花野井)240ヘクタール▽大堀川周辺地区(高田・篠籠田)230ヘクタール▽大津川左岸地区(戸張・増尾など)530ヘクタール▽沼南地区(大井・箕輪・藤ケ谷など)1700ヘクタール。
市は昨年度、全市域を対象に、緑地帯によるヒートアイランド現象抑制効果や貴重な動植物の有無など6項目の基準で調べ、5カ所を絞り込んだ。
特に、利根川と江戸川を結ぶ利根運河周辺は、手つかずの湿地や森が広がる。希少種も豊富で、自然保護団体からも保全の要望が出ている。「利根運河の生態系を守る会」の田中利勝代表は「運河周辺の大青田湿地にはメダカの純粋種やニホンアカガエル、トウヨシノボリなどきわめて貴重な生物がいる。大型野鳥が暮らせる場所を確保したい」と話している。【橋本利昭】
この記事にもあるように手つかずの自然というのが肝になるんです。
生物多様性とかそういうことを中央官庁の方々が言うような時代に
わざわざ切り開いて地面固めてってやってる方々のこんぶくろ池に対する思いやりのなさが
もう、なんというか、嘆かわしいと思っているわけです。
こんぶくろ池から弁天池に抜ける道はそうではないものの、
その周辺の小道なんかは不法投棄された粗大ゴミが転がるような所もあり、
そういうところがきれいになったのはただただ感心させられ、すごいことだなと思うのだけれども、
それから先の所に、なんというか「大丈夫か?」と思うようなことが見受けられます。
たとえば、こんぶくろ池入り口付近は、雑草が枯れて積み重なった腐葉土状の地面だったものが、
数年前からか、木材チップが敷き詰められるようになりました。
それと同じ頃からだろうか、朽ち木を見ないようになりました。
だいぶ前に国立科学博物館で聴講してきた「菌類にもある外来種と絶滅危惧種問題」によると、
木材チップの出所によっては、もともとこんぶくろ池周辺に生息していた種類と
違う種の菌がそこに根を下ろすことになるらしいです。
メダカのDNA汚染と同じように、見えないレベルでの環境破壊が起きるんだそうな。
ばらまかれているチップの出所も判らないし、キノコなどの写真は撮影しているのものの、
詳しい種類までは残念ながら判らないので、在来のものか外来のものか判別できないでいます。
(受験期に大学で生物やろうか迷いつつ、数学・物理に行ってしまったのが悔やまれる)
それと、こんぶくろ池を簡易的な護岸しているのが解せない。
囲いがしてあり、ぬかるみがあるところまで入れないようにしてあるのだから、
護岸(池の周囲のぬかるみに木材で囲いするのは護岸で良いのかな?)の必要性はないのではないかと。
こういう、もともとある湿地や雑木林を人造公園のように上辺を整えることを
環境整備や環境保護というような感性に、なんというか田舎ものくささを感じてしまってダメ。
それはそれとして、ゴミの撤去や清掃活動などは、人足として可能な限り参加したくおもうので、
しばらくは情報収集してみようかなと思ってます。
以上、豊四季団地の片隅より。